安全のための作業着とは?現場別に考える際のポイントや種類と目的も紹介 2021.11.17

安全確保のための作業着とは?

作業着は仕事をするときのユニフォーム、程度のイメージしかないという人もいるかも知れません。しかし、作業着は作業員の業務上の安全性を高めるためのものであり、現場によっては作業着の着用が義務づけられています。

 

労働安全衛生規則の第110条には、業務上の安全を確保するために事業者は作業員に作業着を着用させる義務があり、作業員もそれに従う義務があるという風に明記されています。

 

 

出典:労働安全衛生規則 第百十条|e-GOV法令検索
参照:https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=347M50002000032_20210401_502M60000100134&keyword=%E5%8A%B4%E5%83%8D%E5%AE%89%E5%85%A8%E8%A1%9B%E7%94%9F%E8%A6%8F%E5%89%87

 

作業着を着用する目的6つ

現場で作業着を着用することには、大きく分けて6つの目的があります。安全面や動きやすさなど着る本人のためだけでなく、所属する企業にとってもメリットがあるのです。

 

ここでは、その目的6つについてご紹介します。今までなんとなく作業着を着用していた人やまだ作業着を着用したことのない人も、これを読めば作業着についての理解がより深まることでしょう。

 

1:義務付けられているため

先述の通り、現場によっては安全性の確保のために作業着の着用が義務付けられています。

 

もちろん意味もなく義務付けられているわけではなく、着ている本人を守るのはもちろん、作業着を着ることで製品や他の従業員を守ることにもつながります。

 

 

しっかりと着用できていない場合、最悪死に至る事故に繋がることもあるため、作業中はしっかりと安全第一を意識しましょう。

 

2:ストレスなく作業するため

身体にフィットしない衣服で作業すると、動きづらくストレスがたまり作業効率が悪くなる恐れがあります。作業着は、ストレッチ性のある素材など動きやすく作業するための工夫がされているのでストレスなく作業することができます。

 

カーゴパンツなどは股関節がスムーズに動くよう設計されているので、長時間履いていても疲れにくいという特徴があります。

 

 

また、作業着には通気性や保温性に優れたものも多くあります。夏の炎天下や冬の寒さの中でも体温調節がしやすいので、一年中快適に作業を進めることができます。

 

3:仕事中であることをわかりやすくするため

作業着やユニフォームは、着ている人がどんな仕事や役割なのかが一目でわかります。そのため作業着を着ていることで、仕事中であることがわかりやすくなるという社会的なメリットがあります。

 

仕事の依頼者側からすると、一般的な服を着ているよりもきちんとした作業着を着ている方が作業員、職人としての信頼度が上がり、安心して仕事を任せられると言えます。

 

4:ユニフォームで企業の認知度を高めるため

作業着を着ることは、企業のブランドイメージを上げることにもつながります。ユニフォームのデザインが統一されていれば、一目見ただけで「このユニフォームはこの会社だ」とわかるようになり、企業の認知度を高めることができます。

 

また、統一された作業着で働くことで社員同士の連帯感、プロ意識を高め作業効率を上げる効果も期待できます。

 

5:衛生的に作業をするため

薬品や食品を扱う現場では、衛生的に作業できるかがとても重要です。作業着は体毛などが落下するのを防いだり、薬品や食品と肌が触れることを防ぐなど、衛生面でも非常に効果的です。

6:安全性を確保するため

作業着を着用する目的の中で特に重要と言えるのは、安全性の確保です。例えば建築現場などでは機械への巻き込み事故や、鋭利な道具が刺さるなどといった危険は業務上避けて通れないものです。

 

作業着はそうした危険を回避するために、装飾が少ない、生地が丈夫など安全面に配慮した設計になっています。作業着を着ることは、安全に業務を進める上で欠かせないことだと言えるでしょう。

 

【現場別】作業服の安全性を考える際のポイント7つ

このように作業着は業務を安全に進める上で欠かせないアイテムですが、その安全性を最大限に発揮するには、それぞれの現場に適したタイプの作業着を選ぶことが重要です。

 

ここでは、現場の特徴ごとに作業着の安全性を考える7つのポイントを挙げていきます。自分の現場にはどのような作業着が適しているか、作業着選びの参考にしてみてください。

 

1:暗い現場の場合

暗い現場で作業する場合、視界が悪いことで人と車両との衝突、機械への巻き込み事故などのリスクが発生します。そのため、暗い現場で安全性を確保するには、蛍光色など明るく目立つ色の作業着を選ぶのがおすすめです。反射材などが縫い付けられたタイプも良いでしょう。

2:暑い現場の場合

夏の炎天下など暑い現場で作業する場合に特に気をつけなければいけないのは、熱中症予防のための暑さ対策です。また、風通しの悪い作業着は汗が乾きにくく、不衛生かつストレスが溜まり、作業効率が下がる恐れがあります。

 

暑い現場では、通気性が良く汗が乾きやすい素材を使った作業着を選ぶようにしましょう。汗をかいた後に雑菌が繁殖したり、不快に感じたりすることを防ぐため、抗菌消臭効果がある素材もおすすめです。特に暑い現場では、冷却ファンを内蔵した作業着も検討してみてください。

 

3:寒い現場の場合

寒い現場では体温をできるだけ逃さないことが重要なので、保温性に優れた作業着を選ぶようにしましょう。裏起毛や袖口などが絞られたタイプのものは、体内の熱を逃しにくいのでおすすめです。

 

寒さ対策には、保温性に加えて防風加工、防水加工がしてある作業着が有効です。屋外では風の影響を受けやすく、また突然の天候不良などで作業着が濡れると体温が奪われて作業効率が落ちてしまいます。

 

 

機能性が重要なので、作業着を選ぶときは「防水、撥水加工がされているか」「風を遮断する構造になっているか」ということをしっかり確認しましょう。

 

4:天候の影響を受ける現場の場合

屋外など天候の影響を受けやすい現場の場合も、防水性や防風性に優れた作業着を選ぶことがポイントです。また、雨や雪で作業着が濡れた後もすぐ乾くように、速乾性のある作業着ならより快適に作業を進めることができるでしょう。

5:薬品などを扱う現場の場合

薬品などを扱う現場では、薬品が肌に触れないようしっかりとカバーできる構造や、丈夫な素材を使用した作業着を着ることで安全性を高めることができます。

 

その他に気をつけたいポイントとして、静電気予防のできるものを選ぶようにしましょう。デリケートな薬品を扱う場合、静電気がきっかけで引火や爆発が起こる可能性もあります。事故を未然に防ぐために、静電気予防についても頭に入れておきましょう。

 

6:火に関係する現場の場合

溶接など火に関係する現場で重要なのは、引火による事故や火災の被害を防ぐことです。作業着も、使われている素材に耐火機能などのあるものを選ぶことでこうしたリスクを下げることができます。

7:食品などを扱う現場の場合

食品などを扱う現場では、衛生管理が最優先事項となります。作業着を清潔に保つための抗菌機能や、体毛の混入を防ぐ構造に注目して選ぶことが重要です。基本的には、目以外の部分を全て覆える作業着が適していると言えます。

作業着の種類6種

一口に作業着と言っても、作業着にはさまざまなタイプがあり、それぞれ異なる利点や注意点を持っています。ここでは、一般的な以下の6種類の作業着についてご紹介します。

 

・ジャケットタイプの作業着
・シャツタイプの作業着
・パンツタイプの作業着
・つなぎタイプの作業着
・冷却ファン内蔵の作業着
・特殊な機能のある作業着

 

 

種類がたくさんあってどれを選べばいいかわからなかったと言う人も、こちらを読めば自分に合った作業着を見つけることができるでしょう。

 

1:ジャケットタイプの作業着

ジャケットタイプの作業着は服の上に羽織るだけという手軽さ、着脱のしやすさが利点と言えます。また、上着だけなので多少サイズが大きくても問題なく着ることができます。

 

一人一人に合ったサイズの作業着を用意するのが難しい、短期での現場などではこうしたジャケットタイプが重宝します。

 

 

注意点としては、商品によって生地の厚みにかなり幅があるところです。夏は薄手のもの、冬は厚手のものをそれぞれ使い分けるようにしましょう。

 

2:シャツタイプの作業着

シャツタイプの作業着はワイシャツのようなものから、インナーとアウター両方使えるものまでさまざまです。暑い夏は一枚で着て、寒い冬はジャケットの下にインナーとして着るなど、一年中使える便利さが魅力です。冷感機能など、付加価値を持たせたものもあります。

 

こうしたシャツタイプの作業着は直接肌に触れるものなので、肌触りのよいものを選ぶよう注意しましょう。また、ジャケットタイプなどに比べるとどうしても生地が薄くなるため、真冬など寒さの厳しい現場では注意が必要です。

 

3:パンツタイプの作業着

作業着は上着だけでなく、パンツタイプのものも多く売られています。このようなパンツタイプの作業着を「ワークパンツ」と呼ぶこともあります。スラックスタイプとカーゴパンツタイプの2種類のデザインが一般的です。

 

特にカーゴパンツタイプは、太ももの辺りに大きめのポケットが複数ついているのが特徴です。この大きなポケットは道具をしまうのに便利なので、たくさんの工具を持ち歩くような現場におすすめの作業着です。

 

 

一方で、パンツタイプの作業着にはベルトの着用が必須となるため、ベルトが邪魔になったり緩くなったりしないよう事前に確認しておきましょう。

 

4:つなぎタイプの作業着

つなぎタイプの作業着は汚れやほこりが服の中に入るのを防いでくれるので、農作業や整備の現場などで人気の種類です。上下がつながっていることで怪我や事故を防ぐ効果もあり、安全面と衛生面に優れた作業着だと言えます。

 

注意点としては、上下がつながっているため着脱に手間がかかるというところです。特に用を足すときはその度に脱ぎ着しなければいけないので時間がかかります。そこで、つなぎタイプの作業着を選ぶときにはヒップ部分がファスナーなどで開くものを検討するのもよいでしょう。

 

5:冷却ファン内蔵の作業着

冷却ファン内蔵の作業着は空調服とも呼ばれ、外気を取り込んで汗を気化させる働きがあります。炎天下の屋外や空調がない場所でも快適かつ衛生的に作業ができるのがポイントです。

 

効果的に使用するためにはいくつかの注意点があります。まず、ほこりの多い環境や向かい風が強いところなどではファンが正常に作動しないため使用できません。

 

 

また、ファンはバッテリーで動くため使いたいときに充電が切れていることのないよう、使用前に確認するようにしましょう。

 

6:特殊な機能のある作業着

先述の通り、作業着にはさまざまな現場に対応した特殊な機能を持たせたものがあります。火を扱う現場には耐火性のある素材、薬品を扱う現場には帯電防止機能、食品を扱う現場には抗菌加工の素材、などを選ぶことで安全性を高めることができます。

 

注意点としては、こうした機能性の高い作業着はある一点に特化したものが多いので、複数の種類の現場を掛け持ちしている場合は使い回さず、現場ごとに適したものを選ぶ必要があります。

 

作業着の安全性について知ろう!

このように、作業着はただの服ではなく、安全に業務を進める上でとても重要なアイテムです。

 

現場ごとに適した作業着を選ぶことで安全性や作業効率をぐっと上げることができるので、この記事を読んで作業着への理解を深め、自分に合った作業着を見つけてみてください。