作業服の熱中症対策のポイントとは?予防におすすめのアイテムも紹介 2021.09.02
夏場の作業で必須の熱中症対策
夏場、空調が効いていないところでの作業は、暑さとの戦いになります。毎年多くの方が、熱中症になり病院に運ばれているといわれています。自分が熱中症にならないためにも、しっかりとした熱中症対策をとりましょう。
そもそも熱中症とは?
熱中症とは、体温調整が機能しなくなり体内に熱がこもってしまい、さまざまな症状を引き起こす病気です。
軽症は、立ちくらみ、大量の発汗などで、現場で応急処置が可能な状態です。しかし重症になってしまうと、意識障害、けいれん、高体温などで、入院して集中治療が必要になります。
重症になってしまう前にできるだけ早く気づき、適切な対応をとりましょう。
熱中症が起こる条件
熱中症は、まだ体が暑さに慣れていないときにかかりやすくなります。一般に、熱中症にかかりやすくなる条件は、気温と湿度が高い、風が弱く日差しが強いなどがあげられます。意外なところでは、気温が低いときでも湿度が高いと熱中症にかかる可能性があります。
また、室外ではなく、室内においても室温や湿度の高さによっては熱中症にかかることもありますので、注意しましょう。
熱中症対策におすすめの作業服アイテム6選
熱中症対策には、こまめな水分補給と日差しを避けて暑さから逃れることがおすすめです。しかし、どうしても夏場の強い日差しのもとで作業しなければならないときもあるでしょう。そのような場合は、服装をうまく工夫することによって、熱中症対策しましょう。
ここからは熱中症対策におすすめの業服を6つご紹介します。
1:定番の空調服
空調服とは、モバイルバッテリーで動く小型ファンが服に取り付けてある服のことです。最近では定番になってきているため、目にしたことがある方もいるでしょう。これは、小型ファンが回ることで、大量の空気を服の内部に送り、汗を乾かし蒸発させます。
蒸発のしたときに発生する気化熱が、体内の熱を奪ってくれるので涼しくなるでしょう。
また、モバイルバッテリーで動くため、コンセントのない工事現場や屋外での作業で活躍します。
2:機能性に優れたコンプレッションシャツ
コンプレッションシャツは、圧縮性のある速乾吸収素材を使った服です。適度な圧力が筋肉の無駄な動きを軽減するため、エネルギーの消費を抑えてくれます。
また、エネルギーの消費を抑えるだけでなく、血流を良くし疲労を回復する速度を速めます。そして、速乾吸収素材を使っているため、吸収した汗をすばやく蒸発させ、そのときに発生する気化熱を利用して体を冷やしてくれます。
優れた機能性を持ったシャツといえるでしょう。
3:ズボン内の蒸れが軽減できるコンプレッションパンツ
上半身のサポートをしてくれるのがコンプレッションシャツですが、下半身のサポートをしてくれるのが、コンプレッションパンツです。ズボンの下にインナーとして着ておくと、ズボンの中が蒸れるのを防いでくれます。
夏は作業服のインナーとして、コンプレッションを上下揃えると良いでしょう。
4:さまざまなタイプがあるヘルメットインナー
ヘルメットは安全のための頑丈さも必要のため、風通しが悪く、熱がこもりやすくなっています。そんなヘルメットの中の蒸れを解消のするのが、ヘルメットインナーです。
ヘルメットインナーにも速乾吸収素材が使われていて、気化熱によって涼しさを感じさせてくれるため、熱中症対策としておすすめでしょう。
ヘルメットインナーには、オーソドックスな水泳帽型、自分で締め付けの強さを変えられるバンダナ型、着脱が楽なヘアーバンド型など、さまざまな形があります。
5:長袖と半袖の切り替えが簡単なアームカバー
アームカバーは筒状のもので、手首から二の腕までをカバーします。アームカバーを着用することで、長袖の代わりになります。
長袖は怪我の予防になりますので、作業服には欠かせませんが、長袖は袖がある分、暑く感じてしまうでしょう。そこで活躍するのがアームカバーです。
アームカバーは、簡単に着脱ができるため、温度調節が楽なうえに、休憩や食事をとるときにはアームカバーを外すだけという簡単な方法で、状況に応じて使い分けることができます。
6:ダイレクトに体を冷やしてくれるアイスベスト
ポケットの中に保冷剤を入れ、体に密着させて冷やしてくれるのがアイスベストになります。保冷剤で直に冷やしてくれることになりますので、熱中症対策にうってつけの作業服です。
しかし、保冷剤には時間に限りがあります。暑い日には、保冷剤の予備を用意しておいて、対応すると良いでしょう。
作業服で熱中症対策をしたいときの3つのポイント
服装によって熱中症を予防するには、外からの熱を遮断すること、体内の熱を逃がすこと、汗をすばやく蒸発させることが重要となります。
ここからは、作業服で熱中症対策をしたいときのポイントを3つご紹介します。
1:吸湿性や速乾性のあるものを選ぶ
作業服のインナーは、汗をすばやく蒸発させる吸湿性や速乾性のものを選びましょう。人間は汗をかいて蒸発させることで体を冷やそうとします。しかし、蒸発が間に合わないほどの汗をかいてしまうと、逆に熱がこもってしまう結果になります。
そのため、汗の蒸発を促進させるインナーを選びましょう。具体的な素材でいうと、綿や麻、ポリエステルがおすすめです。作業服のインナーとしては、機能性の高いコンプレッション系のインナーがおすすめです。
2:重ね着をする
意外かもしれませんが、熱中症対策には重ね着が有効です。先にも述べましたが、インナーを着ることで汗の蒸発を促してくれます。汗をたくさんかいたあとの冷えを防ぐためにも、上着だけで過ごすより、インナーを着たほうが熱中症対策に効果があるでしょう。
3:通気性の良いものを選ぶ
体内の熱を逃がすために、通気性の良い服を選びましょう。汗を蒸発させるインナーを選んでも、上着の通気性が悪くては、上着とインナーの間に熱がこもってしまって意味がありません。
空調服のような、風をよく通す服を着て、上手に熱を逃がしてあげましょう。
作業服としての空調服の選び方
暑い日の作業のときに活躍してくれる空調服には、長袖タイプとベストタイプの2つの型があります。それぞれにメリットとデメリットがありますので、ご紹介します。どちらのタイプが自分の用途に合うか参考にしてみてください。
長袖の場合
長袖タイプは、屋外の作業時に着用するのがおすすめです。
屋外で注意したいのは、強い日差しや紫外線です。紫外線は、体内に熱を発生させる日焼けの原因です。長袖は腕を紫外線から守り、日焼けするのを防止してくれます。
また、長袖は風が流れる範囲が広くなりますので、その分涼しく感じられます。しかし、袖が膨らんでしまうため、腕が動かしにくくなってしまうというデメリットがあります。
ベストの場合
ベストタイプは、日差しや紫外線を気にする必要がない屋内作業に向いています。また、細かい作業をするときにもベストが向いているでしょう。
屋外で細かい作業をしたいときは、アームカバーやコンプレッションシャツをうまく利用して対応しましょう。デメリットとしては、風が送られないため長袖タイプより腕が涼しくないという点です。
作業服を工夫してしっかり熱中症対策をしよう
服を選ぶときには、「体内の熱を逃がしてくれるか」「外の熱を遮断してくれるか」「汗を吸収してくれるか」を考えて選びましょう。
夏場の作業は、自分が思った以上に体力を奪っていきます。こまめに水分補給して、体調に気を配りながら、服装の工夫などでうまく暑さを避けましょう。そうすることで、熱中症のリスクを軽減できるでしょう。