空調服の着用による効果とは|発揮させる方法や購入する際の注意点も解説 2021.08.01

空調服の仕組みとは

空調服は、ファンから取り入れた空気を体と服の間に流し、蒸発する汗の気化熱で体を冷やすことで体温を下げる服のことです。

 

これは、汗が蒸発するときの気化熱で体温を下げる、生理クーラーと呼ばれる人体のメカニズムを利用したもので、お風呂あがりに扇風機にあたると、涼しく心地よく感じるのと同じものです。

 

 

屋外などエアコンのない環境でも快適に作業できますし、夏場はエアコンで室温を大幅に下げる必要がなくなるため、工場などでも涼しく快適な環境を作れるでしょう。

 

空調服の特徴4つ

空調服は夏の暑い時期でも、涼しく快適な環境で作業できるというメリットがある作業服ですが、他にも空調服ならではの特徴があります。

 

空調服の特徴を、機能面・メンテナンス・維持費などの面から4点お伝えします。

 

1:多機能なためワークシーンを選ばない

空調服は、ヘルメット着用のまま使えるフード付きのものや、防炎効果のある素材を使ったものなど、さまざまなタイプの商品があります。また、フード付き仕様のものはイベントでのスタッフブルゾンとして使うこともでき、男女別のコーディネートもできるため、便利です。

 

そのため、ワークシーンに応じた、使いやすい空調服を選ぶことが可能です。

 

2:調整ヒモが付いているものは風量を調整できる

空調服には、襟の内側に調整ヒモが付いているタイプのものがあります。この調整ヒモには、空調服と首元の間に空気の通り道を作る役割があります。

 

そのため、調整ヒモを止めることで流れる空気の量を調整し、より快適な環境を作れます。

 

3:ファンの取り外しができるものは洗濯できる

空調服は、専用の作業ウェアにファンやバッテリーを装着したものです。このファンやバッテリーは簡単に着脱できるため、通常の作業着と同じように洗濯できます。

 

汗のにおいが気になる夏場も気軽に洗濯できるため、いつでも快適に着用できますし、衛生面でも安心といえます。

 

4:電気代が非常に安価である

空調服はバッテリーでファンを駆動させるため、電気代がかかります。そこで気になる電気代ですが、中程度の出力で1日8時間、1ヵ月稼働させた場合でも、40円程度の電気代で利用できます。

 

40円程度であれば、エアコンで作業の現場を冷やすために必要な電気代などと比べても、とても安価な電気代で利用できるといえるでしょう。

 

空調服の着用による効果4つ

空調服を着用することで得られる効果は、単に涼しくて快適というだけでなく、身体面でさまざまな効果があるといわれています。空調服を着用することで、着用者が得られる4つの効果をご紹介します。

1:汗による肌トラブルを防ぐ

空調服は、ファンから取り入れた空気がユニフォームと体の間を流れるため、かいた汗がすぐ蒸発しやすくなります。

 

汗がすぐ蒸発し、作業着内が蒸れにくくなることで、皮膚トラブルを防げる可能性があります。

 

2:熱中症の対策になる

近年の日本の夏は猛暑が続く傾向にあり、屋外はもちろん、屋内の作業でも、夏場の作業は空調が整っていないと熱中症になるリスクが高まっています。

 

空調服は、場所を選ばず、着用するだけで涼しくて快適な環境を作れるため、脱水症や熱中症のリスクを抑制できるでしょう。

 

3:体臭対策になる

空調服は、大量の空気を作業服内に送り込むことで、大量の汗をかいたとしても、急速に気化させることができます。かいた汗がすぐ蒸発するため、衣服内で蒸れることが少なくなり、汗臭が低減すると考えられています。

 

空調服は、夏場の体臭の原因となる汗臭を抑えることができるため、夏場の体臭対策にもなるでしょう。

 

4:体力の温存が望める

温度の高い環境で、体温を一定に保ちながら作業をするためには、定期的に休憩し、体の熱を冷ます必要があります。

 

しかし、空調服を着ていると、体温を一定に保ち体力を温存できるため、休憩の間隔を長くしたとしても、連続して作業できるようになるでしょう。

 

空調服の導入による企業への効果

空調服は、着用して作業する人の作業環境を快適にするとともに、導入する企業にもさまざまな効果を期待できます。空調服導入により、導入企業がどのような効果を得られるのか、代表的なものを2つご紹介します。

夏場の空調面のコスト削減になる

夏場にエアコンで快適な室温を保つためには、非常に大きなエネルギーが必要になるため、電気代も高くなってしまいます。

 

しかし、エアコンと空調服を併用することで、室内温度をエアコンで大きく下げる必要もなくなり、エアコンの電気代の節約にもつながります。

 

 

空調服は、夏場など熱い時期の空調コスト削減効果も期待できるのです。

 

生産性が向上する

空調服を着用していると、作業で発生した体熱を空調服内に流れる空気で冷却しながら作業することができます。

 

夏場など、温度の高い環境で作業するときには、安全のために体を冷やすための休憩時間が不可欠です。しかし、空調服を着ていることで、体を冷やすことを目的とした休憩時間は不要になり、その時間を作業に充てることができるでしょう。

 

空調服を購入する際の注意点8つ

空調服は、作業服に小型ファンやバッテリーを取り付けただけのシンプルなものです。エアコンのように好みの温度に調節するなど、高度な機能はついていません。

 

そこで、空調服を買ってから「思っていたのと違う」と後悔しないよう、購入する前に知っておくべき8つの注意点をご紹介します。

 

1:温度を調整する機能はない

空調服は、作業服の内部に空気を送ることで、汗を急速に気化させ、体を冷やす仕組みの作業着です。しかし、エアコンのように、空気自体の温度を下げる温度調整機能がないため、いつでもどんな環境でも快適に過ごせるとはいえません。

 

使用する空気は、服の内部と同じ気温のものですので、気温が高すぎるときには、風が生ぬるく感じることもあるでしょう。

 

2:ほこりや粉塵が多い場所では不向き

空調服は、作業服に取り付けた小型のファンから外気を取り込むため、ほこりや粉塵の多い場所での使用はおすすめできません。このような環境で使用すると、ファンに不具合が出る可能性があり、作業服の中にもほこりや粉塵が吸い込まれてしまうためです。

 

また、ファンやバッテリーが水濡れする可能性がある場所での使用も、故障につながる可能性があるため、使用する場合は洗えるタイプのものを選びましょう。

 

3:通常の作業服に比べると重い

空調服は、作業服の中にファンやバッテリーが格納されているため、その分通常の作業服より重量があります。

 

ファンはプラスチック製のため、気になるほどではありませんが、バッテリーはおよそ300g〜500gが一般的な重量になっています。スマートフォンが1台およそ150gのため、スマートフォン2~3台を持ち歩いているような感覚と考えていいでしょう。

 

 

空調服を購入する際には試着して、ファンやバッテリーが装着された状態で、長時間の作業が可能かどうかチェックすることをおすすめします。

 

4:一般的な作業着より価格が高め

空調服は、作業着・ファン・バッテリーの3つで1セットです。価格は、ブランド・素材・機能などにより幅はありますが、目安としては1セット1万円~2万円程度でしょう。

 

空調服の価格は、以前と比べるとかなり下がってきていますが、それでも、通常の作業服と比べるとかなり高いと感じる方も多いのではないでしょうか。

 

 

しかし、炎天下の過酷な環境や、エアコンがない空間でも快適に作業できるようになり、作業効率のアップが期待できますので、結果的にコスト削減につながるといえるでしょう。

 

5:バッテリーの稼働時間を気にしなければならない

空調服は、バッテリーで駆動しているため、バッテリーの稼働時間内しか連続使用できません。空調服を着用しても、バッテリーがなくなってしまっては、ただの作業服になってしまいます。

 

購入時にはバッテリーの連続稼働時間を確認し、使用後には必ず充電するなど、バッテリーの持ち時間を気にしながら使用する必要があります。

 

6:静かな場所では音が気になる

空調服のファンの回転音は、1~2m程度の近さであれば聞こえる程度の音量です。工事現場など作業音がする場所や、人の多いスポーツや音楽などのイベント会場であれば、それほど気にならずに使用できるでしょう。

 

しかし、通勤電車の中や、静かな場所で使用すると周囲に音が聞こえてしまう可能性があります。静かな環境で使用する場合には、周りへの配慮を忘れないようにしましょう。

 

7:稼働中は常にふくらんだ状態になる

空調服は、空調機能使用時に小型ファンを回して衣服内に空気を流すため、使用中は常に作業服がふくらんだ状態になります。

 

着用時の見た目が大きくふくらんだ状態になるため、狭いところで作業する場合など、注意する必要があります。

 

8:普段着に比べると色やデザインが少ない

空調服は、普段着と比べると色やデザインの選択肢は少なくなります。

 

しかし、最近はアウトドアやレジャーのシーンで着用する人も出てきているため、少しずつ選択肢も増えてきています。おしゃれ目的ではなく、実用目的で着用するものだと考えておいた方がよいでしょう。

 

空調服の効果をさらに発揮させるための方法4つ

空調服は、人間の持っている生理クーラーと呼ばれる機能を、最大限に活かすための機能が付いた作業服です。そのため、空調服は正しく着用することで、より高い効果を期待できるようになるでしょう。

 

そこで、空調服の効果を確実に得るとともに、さらに発揮させるためのおすすめの方法を4つご紹介します。

 

1:他の空調服や暑さ対策インナーと組み合わせる

吸汗性に優れたインナーを空調服の下に着用すると、汗をさっと乾燥させてくれるため、空調服の生理クーラー機能がより働きやすくなるでしょう。

 

特に、冷感コンプレッションインナーは接触冷感の機能があり、適度なひんやり感を感じられるため、空調服との相性がよいといわれています。

 

 

他の空調服と合わせて重量が気になる場合は、つなぎタイプもありますので、まずは試着してみるといいでしょう。

 

2:インナーに通気性を持たせる

空調服を着用して涼しさを感じるポイントは、発汗した汗を効果的に蒸発させることです。そのため、風通しのよいインナーを選ぶことで熱気がこもらず、快適に作業できるでしょう。

3:使用後は必ず充電する

空調服のファンはバッテリーで駆動していますので、充電が切れるとただの作業服になってしまいます。使用状況にもよりますが、バッテリーの持ち時間は5時間から30時間程度が目安です。

 

スマートフォンと同じように、使用後は充電してバッテリーチャージをする習慣をつけましょう。基本的でありながらも重要なポイントです。

 

4:作業環境が悪いところではファンを洗えるタイプがおすすめ

空調服は、ほこりや粉塵の多い場所での使用は不向きですが、空調服の中にはファンフィルターを外して洗えるものもあります。

 

ほこりや粉塵が多いなど、作業環境が悪い場所で使う場合も、ファンフィルターや羽の部分を取り外し、洗うことで、空調機能を維持することが可能です。

 

空調服の効果を知って作業効率の向上を目指そう

空調服は、通常の作業着より価格は高いですが、エアコンがない場所でも快適な環境で作業できるため、作業効率の向上を期待できます。

 

空調服の特徴を理解し、正しく着用し、作業効率のアップによるコストダウンを目指してみましょう。