作業服に付着した塗料(ペンキ)を落とすには?|油性・水性で異なる落とし方 2021.07.18

作業服に付着することのある塗料(ペンキ)とは

一般的に私たちは、ローラーなどで塗る塗料のことをペンキと呼びます。

 

定義としては、「植物性オイルによる合成樹脂ペイント」がペンキであり、これは塗料の一部です。かつての塗料はこの「ペンキ」であり、その名残として、塗料といえばペンキという認識が定着しました。

 

 

現在は、この本来の「ペンキ」は使われていませんので、厳密には塗料とペンキは異なりますが、当記事では、塗料を"ペンキ"と呼ぶことにします。

 

ペンキのタイプ

ペンキの種類としては、水性、油性、ラッカー系、スプレー式があります。スプレー式塗料は主に、電気製品や自転車、ホビー用品に対して用いられます。

 

この項目では主に、油性・水性ペンキについて解説します。

 

油性の特徴

油性ペンキは有機溶剤を含む塗料です。そのため以前までは主流のペンキでしたが、近年では用いられることが少なくなっています。

 

耐久性に優れている・密着が良い・ツヤの発揮のしやすさ・乾燥の早さがメリットであり、逆にデメリットは有機溶剤やシンナーが含まれていることとそれによるニオイ・扱いの難しさ・高い値段などです。

 

 

油性ペンキは水性と比べると、耐久性と密着性が良いので、強力な塗膜を作ることができます。

 

水性の特徴

水性塗料は、水で薄めて希釈して用いる塗料です。シンナー等の有害物質が含まれないので、安全で環境に優しいタイプです。

 

扱いやすい・悪臭がしない・価格が安い・含まれる化学物質が安全であることがメリットであり、デメリットは耐久性や密着性の低さ・ツヤの落ちやすさ・限られた下地の種類・気候の影響による落ちやすさなどになります。

 

 

人体にとって安全であり、扱いやすいことから、DIYに向いています。

 

作業服に付着した油性塗料(ペンキ)の落とし方6選

油性ペンキには容易に落ちにくい性質があり、作業服の素材次第では生地を傷めてしまう場合があります。そのため、クリーニングの専門家に相談するのが有効です。

 

また作業服についたペンキが乾く前後で、落とし方はやや異なるので、乾く前と乾いた後(全・半乾き)の、それぞれの場合での落とし方を解説します。

 

乾く前

作業服についたペンキは、乾く前に落としてしまうことが有効でしょう。乾く前であれば、きれいにペンキを落とすことができる場合があります。

 

この場合のペンキの落とし方としては、スポンジ等に洗剤を付けてのたたき拭きと、クレンジングや中性洗剤をつけるといった手法があります。ここでは、これらのペンキの落とし方を解説します。

 

1:スポンジ等に洗剤を付けたたき拭きを行う

最初にスポンジや歯ブラシに、キッチン用の中性洗剤を数滴垂らし、ペンキの付いている部分に洗剤をつけたスポンジ(もしくは歯ブラシ)を押さえつけます。このとき、はんこを押すようにじわっと体重をかけると良いでしょう。

 

この後、服の繊維に絡まったペンキを掻き出すように、たたき拭きを行います。たたき拭きの作業後、ある程度塗料が落とせたら水洗いし、最後に洗濯機を回し、乾燥させます。

 

2:クレンジング・中性洗剤

たたき洗い以外に、メイク落としで使うようなクレンジングオイルを用いた落とし方も有効です。

 

クレンジングオイルをつけてもむという動作を繰り返します。ここで、手を止めることなくすすぎを手早く行えば、布にペンキの色が定着することはありません。

 

全・半乾き

この場合は乾く前に落とす場合と比べ、家庭で完全にペンキを落とすことは難しくなります。しかし、薄くすることは可能です。

 

半・全乾きの後のペンキを落とす場合は、除光液やベンジンで落とす、歯ブラシ等で塗料を浮かして叩く、爪やヘラでこすって塗料を剥がす、ペイント薄め液(シンナー)を使うといった手法が有効です。ここでは、これらのペンキの落とし方を解説します。

 

3:除光液やベンジンを使う

まず除光液を、小豆程度の大きさになるようにティッシュにしみこませます。

 

このティッシュを汚れた部分に押し当てて除光液を布にしみこませていき、歯ブラシでこすります。この時、あまり力を入れすぎると生地を傷めてしまう恐れがあるので、力まないように気を付けながら、汚れを掻き出すことがポイントです。

 

 

その後、こすった部分を水道水で洗い、洗濯機に作業服を入れ、洗剤を入れていつも通りの洗濯を行います。

 

4:古い歯ブラシ等で塗料を浮かし叩く

ペンキの部分の裏側にタオルを当てておき、歯ブラシ(もしくは綿棒)にベンジンを含ませ、シミ部分に塗ります。

 

ペンキが落ちてきたら、歯ブラシ(綿棒)で軽くたたき、裏側のタオルに色素を移していきます。この時、ペンキ部分の服の色が落ちてしまわないよう、力まないように優しく叩くのがポイントです。

 

 

これでもペンキが残る場合は、表からもベンジンを含めたタオルでたたきます。

 

 

ペンキが落ちた後は、洗濯にかけます。

 

5:爪やヘラでこすって剥がす

爪やヘラでこすることで、ペンキがはがれる場合もあります。

 

しかしこの場合は、先ほど紹介したような、歯ブラシまたは綿棒でたたいてペンキを落とす手法などで落ちる可能性があります。

 

6:ペイント薄め液(シンナー)を使う

シンナーを多く含むペイント薄め液は、作業でペイント薄め液を用いる人にとって非常に効果的です。

 

このペイント薄め液(シンナー)をタオルにしみこませ、軽く汚れの部分をおさえ、ペンキを落とします。その後、ぬるま湯に10分ほど服を浸します。この状態で、たわしなどでこすってペンキを落とします。

 

 

ここで、シンナー等が生地を傷めないかどうかの確認が必要です。不安な場合は、クリーニング店に相談すると良いです。

 

作業服に付着した水性塗料(ペンキ)の落とし方4選

水性ペンキには、油性ペンキと比較すると落ちやすいという特徴があります。しかし、きれいにペンキを落とすためには早く対処する必要があるという点は、油性ペンキを落とす場合と共通です。

 

ここでは、水性ペンキが乾く前と乾いた後(半・全乾き)の、それぞれの場合でのペンキの落とし方を解説します。確認して早く対処すれば、汚れを残すことなくきれいに落とすことができます。

 

乾く前

水性ペンキは、乾く前であれば落とすことはあまり難しくありません。これは、水性ペンキは乾いていなければ水に溶けるからです。

 

しかし、乾いてしまうと膜のようになり水に溶けにくくなってしまい、落ちにくくなってしまいます。水性ペンキが付いた後は、素早く対処することが必要です。水性だからといって後回しにすると、こびれついてしまい、取れにくくなってしまう可能性があることが注意点です。

 

1:水に浸す

直ちにペンキのついてしまった作業服を脱ぎ、蛇口の流水で十分に洗い流します。

 

その後、洗面所のシンクにぬるま湯を張り、30分ほどその中に作業服を浸します。この中に洗濯洗剤を入れておくと、より落ちやすくなります。

 

 

30分ほど浸した後は、残ったペンキを手で揉んで落とします。ここで、汚れの周りが固まっている場合は、生地の裏側から叩くように押し出します。

 

 

最後に軽く絞り、普段通りに洗濯にかけます。

 

2:洗剤を使わずもみ洗い

まず、流水でペンキの部分を洗い流します。ペンキの範囲を広げないよう、こすらずに服の裏側から水を流すことがポイントです。

 

完全にペンキが流れた後は、作業服全体をバケツに入れて水に浸し、ペンキを服全体にいきわたらせます。これは、一部分の変色を防ぐためです。

 

 

このバケツの水に浸した中で、生地を傷めないよう、揉み洗いを行います。最後に、この作業服だけを洗濯機に入れ、洗濯にかけます。

 

全・半乾き

1度乾いた水性ペンキは落ちにくくなるので、作業服のペンキを残さないためには、ペンキは乾く前に落とす必要があります。しかしそれでも、ペンキがついていることに気づかず、乾いてしまうというケースは考えられます。

 

もし水性ペンキが乾いてしまった場合は、40度前後のお湯に浸す、中性洗剤を付けたスポンジのたたき拭きといった落とし方が有効です。ここでは、この二つのペンキの落とし方を解説します。

 

3:お湯(40度前後)に浸す

ペンキが乾いてしまった部分を熱湯につけ、ペンキを溶かします。この熱湯に浸してある状態で、ヘラや堅めの歯ブラシでペンキをこすり取ります。

 

最後に、作業服を洗濯します。この洗濯では、酸素系の漂白剤を入れます。

 

 

ただし作業服に、「手洗い30」の表記のある場合や、ウールやシルクの素材が使われている場合は、この方法はあまり適していませんので、この作業の前にこれらの確認をする必要があります。

 

4:スポンジに中性洗剤を付けたたき拭き

洗面器にお湯を入れ、その中にペンキの付いた作業服を浸します。

 

その後、スポンジにキッチン用の中性洗剤を染みこませます。このスポンジを、作業服のペンキが付いている部分に上からたたき、ペンキを浮かせて落とします。

 

 

またここでは、ペンキの部分をゴシゴシこするのではなく、衣服を傷めないよう、優しく作業を行うことがポイントです。スポンジを用いるのはこのためです。

 

肌についた塗料(ペンキ)の落とし方3選

ペンキを塗っていると、注意していてもいつの間にか、肌にペンキが付着しているというケースはよくあります。付いていることに気づかなかったペンキの汚れは、お湯洗いだけでは落としにくい場合が多いです。

 

また、髪や顔の肌といったデリケートな部分のペンキは、慎重に除去する必要があります。

 

 

ここでは、乾く前のペンキ(水性・油性)、乾いてしまった油性ペンキ、水性ペンキのそれぞれの落とし方について解説します。

 

1:乾く前の水性・油性塗料(ペンキ)の場合

手や顔についてしまったペンキに対しては、乾く前であれば、水やぬるま湯で石鹸を使って落とします。それでも落ちない場合に、除光液を使って落とすといった手法が有効です。

 

また、肌にペンキがついてしまった場合はすぐに落とすことが重要です。水性ペンキは比較的乾いても落としやすいですが、油性の場合は特に落としにくくなってしまいます。

 

水・ぬるま湯で石鹼を使い洗う

手や顔についてしまったペンキは、乾く前であれば、水やぬるま湯で洗い流すことで除去することができます。これは、水性・油性で共通です。

 

ここで油性ペンキに対しては、石鹸やキッチン用の中性洗剤を用いるのが有効です。また顔などの敏感な肌の部分は、傷つけないよう、力まずに優しく落とす必要があります。

 

落ちにくい場合は除光液を使う

ハンドソープや石鹼で洗ってもペンキが落ちない場合に、この手法を用います。コットンに除光液をしみこませ、付着したペンキを拭き取るように、優しくこすります。

 

これによりペンキの汚れは落ちますが、除光液は肌に大きなダメージを与えます。ゴシゴシこすりすぎたり、使う除光液の量が多すぎたりすると、肌を傷つけ、医師に診てもらわなければならない状態になってしまいます。力まず、慎重にこの作業を行いましょう。

 

2:乾いてしまった水性塗料(ペンキ)の場合

油性ペンキと異なり、水性ペンキの汚れは乾いてしまった後でも、比較的落としやすいです。

 

ペンキのついた部分をぬるま湯につけると、ペンキが浮かぶので、落とすことができます。またここで、石鹸と一緒に洗うと、より簡単にペンキを落とすことができます。

 

3:乾いてしまった油性塗料(ペンキ)の場合

乾いた油性ペンキに対しては、薄め液や溶剤が有効です。

 

薄め液もしくはシンナーやベンジンといった溶剤を布にしみこませ、ついたペンキを丁寧に拭き取ります。除光液を用いることで、比較的肌に優しく拭き取ることができます。

 

 

他には、ドライヤーを用いて完全にペンキを乾かして、木工用ボンドを塗り、ペンキの汚れを剥がすという手法もあります。しかし、この手法を肌が弱い人が行う場合は、パッチテストが必要になります。

 

作業服に付着した塗料(ペンキ)は最初にタイプを確認しよう

作業服につくペンキのタイプによって、落とし方は異なります。他に、乾く前後でも違う落とし方が違います。

 

ペンキを落とすことは決して容易ではありませんが、落とし方をあらかじめ知っておくと有事に備えることができます。また、完全にペンキを落とすためにはペンキが乾く前に、ここで紹介した方法を実行する必要があるでしょう。

 

 

もっとも、ペンキを塗る際にペンキが付いても大丈夫な服を着た上で行うことが重要です。