作業着の経費処理に役立つ勘定科目5つ|処理をする時のポイントも紹介 2021.05.26

作業着の経費はどの勘定科目?

事業用の作業着の勘定科目は法人であれば「福利厚生費」、個人事業主であれば「消耗品費」として処理します。

 

しかし法人の場合、福利厚生費として落とせるのは作業着が事業用にのみ使われている場合であり、支給された作業着がプライベートでも使用されている場合は、「給与」扱いとして計上されます。

 

 

法人から従業員向けに作業着を支給する場合は十分に注意をしましょう。

 

作業着の経費処理に役立つ勘定科目5つ

まず作業着の勘定科目を分類するにあたって、知っておくべき所得税、法人税、福利厚生、製造原価、売上原価について見ていきます。

 

それぞれの知識は経理処理をするにあたって必須の知識なので、ぜひ知っておきましょう。

 

1:所得税

所得税とは、ここでは事業で出た利益に対してかかる税金のことです。

 

事業利益の計算はその年における事業での総収入金額から必要経費を差し引いて求め、確定申告後に自分で納付を行います。

 

 

出典:No.1350 事業所得の課税の仕組み|国税庁
参照:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1350.htm

 

2:法人税

法人税とは、個人とは別で主に有限会社や株式会社など法人での事業活動を通じて得た利益に対してかかる税金のことを指しています。

 

個人の所得税との違いは、個人で儲けた場合は所得に応じて税率が段階的に変わる累進課税であるのに対して、法人の場合は会社の規模に応じて税率が決まっています。

 

 

法人税の勘定科目は「法人税等」と記載するのが一般的で、所得税のほかに法人住民税、法人事業税が含まれます。

 

 

出典:法人税|国税庁
参照:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hojin/houjin.htm

 

3:福利厚生

福利厚生とは、賃金などといった基本的な報酬とは別で企業が役員や従業員に与える金銭以外の支給品のことを指します。

 

また、福利厚生は大きく「法定福利厚生」と「法定外福利厚生」の2つに分けられます。

 

 

前者は従業員、役員に対して企業が費用の負担をしなければならないと法律で定められているもので、社会保険や子育て拠出金などが、この法定福利厚生に該当します。

 

 

後者は法律で定められてはいないものの、企業が自主的に行っている福利厚生のことを指しており、住宅手当や企業型確定拠出年金などが該当します。

 

4:製造原価

製造原価とはある商品を作る過程で発生した原価のすべてを合算した値のことを指しています。

 

製造原価は、「材料費」「労務費」「経費」の3つに大きく分類されます。

 

 

材料費はある商品を作るために消費した部品や資材など主にモノに対する費用を指し、労務費は商品を作る過程で携わった従業員などの人に対する賃金などがあたります。

 

 

そして、光熱費や設備の減価償却費など上記2つのどちらにも分類できないものが経費に分類されます。

 

5:売上原価

売上原価とは、その期に販売した商品に対してかかった費用のことを指します。

 

あくまで売れた商品の仕入れや製造に対してかかる費用なので、商品を製造した際にかかる製造原価とは考え方が異なる点には注意が必要です。

 

作業着の経費処理をする時のポイント3つ

作業着の経理処理をするにあたって気を付けるべきポイントを3点紹介します。どれも経理処理をする上で非常に大切なことですので、他の知識と同様もれなく確認しておきましょう。

1:課税対象かどうか

まず、支給される作業着が所得税の課税対象になるかどうかは重要なポイントです。

 

なぜなら、前述した「福利厚生費」であれば非課税であり、「給与」として扱われれば、 それは所得税の対象となってしまうからです。 この両者の線引きを明確に行わずに経費として処理を行ってしまうと、後に脱税と見なされてしまうこともあるでしょう。

 

 

福利厚生費などの経費として処理したい場合は、作業着を事業用としてのみ使うように従業員に周知しておく必要があります。

 

2:製造原価として処理できるか

勘定科目で製造原価を加えることのできる業種であれば、作業着は福利厚生費などの経費として処理することができます。

 

なぜなら製造原価の中には従業員の人件費も含まれており、給与以外の福利厚生費も人件費の中に含まれているからです。

 

 

逆に売上に直結しない事務的なポジションの場合は「消耗品費」として処理することが一般的です。

 

3:毎年同じ科目を選んでいるか

また経営の管理上、毎年同じ勘定科目を選んだほうが良いとされています。

 

毎年勘定科目を変えてしまうと、経営についての分析を行う際に、決算書の比較がやりにくくなってしまう側面があるからです。 また副次的なものとして、税務署職員による税務調査が行われた場合にも、決算書としての一貫性が生まれ心象が良くなるでしょう。

 

作業着を福利厚生費以外で経費処理する方法

ここまでは主に作業着の勘定科目を福利厚生費として処理する方法を紹介してきましたが、最後に福利厚生費以外で処理する方法も紹介します。

 

福利厚生費以外でのやり方を知っておくと、処理方法できるシーンが広がるでしょう。

 

新しく科目を作る

何らかの事情で福利厚生費以外の経費として処理を行いたい場合などは、新しい勘定科目を作り処理を行うことが可能です。

 

例えば、福利厚生費の内訳を帳簿上で詳細に把握しておきたい時や、福利厚生費の金額が大きくなり過ぎてしまい、帳簿をもう少しスリムにしたい場合などが挙げられます。

 

 

その場合、新たに「作業着費」などの勘定科目を追加することにより、経営上の資金の流れを把握しやすくなるでしょう。

 

消耗品費・事務用品費として計上する

「福利厚生費」として処理する以外には、「消耗費品」や「事務用用品」として処理することができます。

 

従業員を雇っていない個人事業主である場合は、事業を営むうえで売上に直接関わっていない従業員に対しての勘定科目として使われることが一般的です。

 

 

建築業や製造業などの業種であれば、現場作業を行う従業員は「福利厚生費」として処理を行い、事務方の業務を行っている従業員は「消耗費品」として処理を行います。

 

 

ただ一般的には「福利厚生費」として処理されることが多いです。

 

作業着の経費の処理方法について把握しよう

作業着の勘定科目について紹介してきました。 作業着の勘定科目は、「福利厚生費」と「消耗品費」の2種類が主に挙げられます。

 

事業の売上に直結するようなものに対しては「福利厚生費」を採用し、直結しないものに対しては「消耗品費」として処理をすることが多いです。

 

 

作業着の経理処理を曖昧な状態で行ってしまうと、税務調査の際に会社が疑われてしまう可能性もあるので注意が必要です。経理処理についてしっかり学んで正しい知識を身につけましょう。